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大ナゴヤノート.
2021年03月19日

蟹江で出会った瓦たちに思いをめぐらせ

先日、オープンノート.の記事を書いたのですが、実はまだ気になることがあったのです。蟹江でのまちあるきの途中、お寺の屋根で見つけた躍動感あふれる獅子の瓦にすっかり魅了され、夢中でカメラに収めていると、近くに花のような形の瓦を見つけました。

盛泉寺の飾り瓦

お寺だから蓮の花かな。いったいこれはなんだろう。

瓦の先生・脇田さんに尋ねると、「牡丹」の花をあらわす留蓋瓦(とめぶたがわら)と教えてくれました。この「獅子」と「牡丹」の組み合わせ、なぜか行く先々のお寺で目にします。たいてい獅子が手前にあり、奥に牡丹の配置です。前にいる獅子が後の牡丹を守っているように見えました。「獅子」と「牡丹」。この言葉の並び、どこかで聞いたことがある気がします。脇田さんになにか意味があるのか確認したら、「獅子の瓦も牡丹の瓦もよく見かけるけれど気にしたことなかったな」とのこと。

善敬寺の獅子と牡丹

実はこの瓦の獅子は「唐獅子」とも呼ばれているそう。ん、唐獅子?頭に浮かんできたのは「唐獅子牡丹」のフレーズ。確か昭和歌謡に使われていたのでは。調べると曲のタイトルと歌詞に使われていました。歌っていたのは高倉健!だから聞き覚えがあったのか。歌に使われるということは一般的な言葉なのかな。でもいわれは知りません。探してみたらこんな法話が。

獅子は、百獣に君臨する王といわれます。その無敵の獅子でさえ、ただ一つだけ恐れるものがある。それは、獅子身中の虫です。我身の体毛の中に発生し、増殖し、やがて皮を破り肉に食らいつく害虫です。しかし、この害虫は、牡丹の花から滴り落ちる夜露にあたると死んでしまいます。そこで獅子は夜に、牡丹の花の下で休みます。獅子にとっての安住の地が、そこに在ります。(臨済禅・黄檗禅公式サイトより)

なるほど、獅子にとって牡丹は、よりどころとなる安住の地という仏教的な意味があるのですね。セットで屋根に鎮座している理由に納得。獅子にとって大切なよりどころだから、屋根の上で牡丹を守っているのかもしれません。

後日、近所を散歩中にまた獅子と牡丹を見つけました。

法持寺で見つけた獅子と牡丹

あれ、これまでと配置が違う。蟹江のまちでは、前に獅子、後に牡丹のパターンばかりだったような。位置にも意味があるのでしょうか。

獅子と牡丹の瓦には、まだまだ謎がありそうです。これから謎解きしていかねば。この他にも意味のある組み合わせの瓦があるのでは、と新たな興味もわいてきて、このごろは出かけた先で気づけば屋根を見上げています。

写真/ゆみ

ゆみ

名古屋市生まれ、名古屋市育ち。好奇心旺盛で食いしん坊。パンが大好きでパン屋巡りが趣味である。学生時代は本の虫で物書きを夢見ていたが、不本意ながら事務職を稼業として数十年。子どもたちの成人を機に、ライターを目指して試行錯誤中。
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