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大ナゴヤノート.
2019年06月12日

林業の視点を通して、さまざまな魅力を発信!「日本の森がもっとワクワク」の取り組み

建物や家具、小物など、木でできたものに触れると、自然とホッとしてしまう人は、きっと少なくないと思います。私もそのひとりです。
日本の国土の3分の2は森林ですし、本当に、本当に昔(それこそ、歴史などが記録されるようになる前)から、木を生活の中で活用してきた日本人にとって、木という素材は遺伝子レベルで安心感を得られるものなのかもしれません。

「木」と一口に言っても、皆さんご存じのとおりさまざまな種類があります。一方でその産地を知る機会なんて、そうそうありません。木が生えている森も、ただ眺めているだけでは、どこも同じように感じてしまいます。

でも、よーく観察してみると、その土地によって表情が異なります。
そして、森の数だけ、森を守ってきた人が紡いできた土地の歴史があるんですよ。

そんな投げかけとともに、森や木、自然につながるテーマを取り上げ、日本各地の木の産地やその土地で暮らす人の魅力や取り巻く状況を発信するウェブサイトがあります。それが、岐阜県高山市にある飛騨五木株式会社が運営する「日本の森がもっとワクワク(https://moriwaku.jp/)」、通称「森ワク」です。

実は岐阜県は、日本有数の林業が盛んな地域。飛騨五木株式会社は「森ワク」をはじめ、「森の中でショッピングができる!」をテーマに、カフェや遊びの場、木工製品の販売スペースなどをショッピングセンター内に展開する施設の企画から運営を担っていたり、名古屋市内のコワーキングスペース(https://moriwakuspace.jimdofree.com/)を運営したりと、さまざまな取り組みを通じて「木や森の魅力と可能性」を発信しています。

「森ワク」では、里山保全など、日本各地で取り組まれている活動を紹介する「森ワク活動」や、自然とともに受け継がれてきた祭事などの「歴史・伝統」、身近に木や森を体感できるスポットを紹介する「おでかけ」「イベント」など、さまざまなジャンルを通して“森を楽しむ”きっかけとなる情報を公開しています。

「森を楽しむなんて言っても、実際に森に行こうと思うわけでもないし…」「確かに東海地方だったら山に囲まれているけれど、身近って聞かれると、どうかな〜?」と思ってしまった、ちょっぴり斜に構えてしまうインドア気質なあなた。侮るなかれ。「森ワク」では、ただ漫然と「森や自然って面白いよ!」と発信しているわけではありません。

例えば、ぎふメディアコスモスを紹介した「木になるスポット『ぎふメディアコスモス』を森ワク流に楽しむ!」では、建物で使用されている木材の紹介や建設時のエピソードが紹介されています。それだけでも十分、木に関連する内容だと思えるでしょうが、そんなにあっさりとは終わりません。執筆されたライターさんの視点は、施設内に置かれている玩具や椅子、テラスにある木製ベンチなどで用いられている木材にも向けられています。

以前「ぎふメディアコスモス」に出向いたことのある私も思わず「あの特徴的な天井は、全国の大工さんが力を合わせて作り上げたんだなぁ…」「え、そんなところにも木が使われていたの!?」「何気なく目にしていたけれど、高い技術がないと実現できなかったのね…!」と、たくさん驚かされてしまいました。記事を読み終えた頃には、ちょっとだけ木材加工や建築などに詳しくなった気分にもなりました(笑)

そして「また、ぎふメディアコスモスに行ってみようかなぁ」とも感じました。次に行ったら記事で紹介されていたテラスから金華山を眺めたいな、とか。多分これが「ワクワク」しているってことなのだと思います。

他にも「森ワク」では、燻製の作り方や森のアロマがある暮らしの提案、花粉症対策、薪ストーブの魅力といった、身近な生活にも取り入れられそうな情報も紹介しています。テーマは明確ですが、取り上げるお題や切り口となる視点は本当に多種多様。その中にきっと、読者一人ひとりの「ワクワク」につながる情報があると思います。

小さな、でも面白い情報をたくさん広めていくことで、大きなワクワクの波が起こせると信じています。
まずは知るという第一歩を森ワクで。きっとあなたの日常もワクワクに!

読み進めていけばいくほど、「知らなかった!」に出会える「森ワク」。ここを入り口に、森や森に関わるヒト・モノ・コトに触れてみてはいかがでしょうか。

伊藤 成美

名古屋市生まれ、瀬戸市育ち。デザイナーや玩具の企画開発アシスタント、学習塾教材制作などを経て、縁あってwebメディア運営会社のライター職に就く。インタビュー記事の執筆を中心に経験を積んだ後、フリーランスに。大ナゴヤ大学では、ボラスタや授業コーディネーターとして活動中。
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